SQL FROM句:テーブルの結合の考え方

「社員マスタ」と「部署マスタ」というテーブルがあります。社員はそれぞれ1つの部署に所属しています。

社員マスタ
社員コード社員名部署コード
1テスト社員11
2テスト社員22
3テスト社員31
部署マスタ
部署コード部署名
1開発部
2営業部

社員と所属部署の一覧を表示したい。

SQLは下記のようになります。

SELECT T1.社員名, T2.部署名
FROM 社員マスタ AS T1
    JOIN 部署マスタ AS T2
    ON T1.部署コード = T2.部署コード

社員名は社員マスタ、部署名は部署マスタから取得するため、FROM句で複数のテーブルを指定する必要があります。

部署コードのように、複数のテーブルで同名のカラム名がある場合は、社員マスタ.部署コードのように、どのテーブルのカラムなのか明示する必要があります。

社員マスタ AS T1のように、FROM句でテーブルを指定する際に、別名を定義することができ、T1.社員マスタというようなテーブル名での指定が可能になります。

複数のテーブルを指定するには、JOIN句を使用し、テーブル同士を結合します。

ON T1.部署コード = T2.部署コードの部分で、結合条件を指定しています。

結合条件

下記のように結合条件を1=1(常に条件を満たす=条件を指定しない)にして実行した場合を見てみます。

SELECT T1.社員名, T2.部署名
FROM 社員マスタ AS T1
    JOIN 部署マスタ AS T2
    ON 1=1
実行結果
社員名部署名
テスト社員1開発部
テスト社員1営業部
テスト社員2開発部
テスト社員2営業部
テスト社員3開発部
テスト社員3営業部

1社員につき2レコード表示されてしまいます。

結合条件を指定しないと、指定したテーブル同士で考えられるすべての組み合わせ(直積)を出力してしまいます。

社員マスタが3件(3通り)と部署マスタが2件(2通り)で、3通り×2通り=6通り(件)出力されることになります。

わかりやすくするために、社員マスタの部署コードと、部署マスタの部署コードを表示させます。

SELECT T1.社員名
    ,T2.部署名
    ,T1.部署コード AS 社員_部署コード
    ,T2.部署コード AS 部署_部署コード
FROM 社員マスタ AS T1
    JOIN 部署マスタ AS T2
    ON 1=1
実行結果
社員名部署名社員_部署コード部署_部署コード
テスト社員1開発部11
テスト社員1営業部12
テスト社員2開発部21
テスト社員2営業部22
テスト社員3開発部11
テスト社員3営業部12

赤背景の行は、社員マスタの部署コードとは違う部署の部署名を出力しているので、本来は出力してはいけないデータです。

社員マスタの部署コードに紐づく部署名を出力したいので、結合条件で社員マスタ.部署コード=部署マスタ.部署コードと指定します。


関連記事

  • SQL WITH句でVIEWを作成し重複するSQL文をまとめる

    WITH句を使えば1つの副問い合わせ(SQL)を複数の箇所で使いまわすことができます。例としてSQL 副問い合わせの基本を理解するで扱ったFROM句の副問い合わせのSQLをおさらいします。※今回は学習...


  • SQL WHERE句でデータを絞り込む

    「社員マスタ」と「部署マスタ」というテーブルがあります。今回は、社員マスタに「年齢」カラムを追加してあります。年齢が25歳以上で営業部に所属する社員を表示したい。SQLは下記のようになります。取得する...


  • SQL UPDATE文でデータを更新する

    UPDATE文でデータベースに新しいデータを更新する方法を紹介します。「社員マスタ」というテーブルがあります。カラムは下記のとおりです。テスト社員2の年齢を31歳に更新したい場合、以下のようなSQLを...


  • SQL 副問い合わせの基本を理解する

    副問い合わせとはSQL文の中に入れ子でSQL文を指定することをいいます。例えば下記のSQL文は副問い合わせを使用しています。副問い合わせはWHERE句だけでなく、SELECT句やFROM句でも使用する...


  • SQL SELECT句の基本的な使い方

    SELECT句ではデータベースの指定したテーブルからデータを取得する際に、どの項目を取得するか指定します。下記に具体的な使い方を紹介します。「商品マスタ」というテーブルがあります。カラムは下記のとおり...


  • SQL SELECTした結果をINSERTで登録する

    SELECTとINSERTを組み合わせて効率よくデータを登録することができます。SELECT文で取得したデータをINSERT文でデータベースに新しいデータを登録する方法を紹介します。「社員マスタ」とい...


  • SQL ORACLEのROWNUMで行番号を取得する際の注意点

    Oracleで行番号を取得する際の基本的な考え方と注意点を紹介します。行番号はROWNUMで取得することができます。注意しなければならないのは、ORDER BYでソートする場合です。ORDER BYは...


  • SQL ROLLUP文で小計行・合計行を出力する (oracle, sql server)

    「社員マスタ」と「売上明細」というテーブルがあります。売上明細テーブルには、社員の売上情報が格納されています。社員ごとに、会社ごとの売上合計を表示し、社員ごとにすべての会社の小計行も出力したい、また最...


  • SQL チューニングでレスポンス改善に効果のあったポイント

    SQLのレスポンス改善に効果のあった対応内容をまとめます。環境はOracleですが、他のデータベースでも参考になると思います。パフォーマンスは同じようなSQLでもテーブルのインデックスなどの構成やデー...


  • SQLとプログラミング言語の考え方の違い

    SQLは他のJAVAやC言語などのプログラミング言語とは異なる考え方で、実装を行う必要があります。プログラミング言語は基本的には上から順番に実行されていきます。これを手続き型言語と呼ぶことが多いのです...