アルツハイマー病と家族の絆の感動小説「アリスのままで」レビュー
「アリスのままで」リサ ジェノヴァ (著)という感動のベストセラー小説がとても良かったです。
全世界で1800万部を突破した感動のベストセラー!
帯の紹介文より
紹介・レビュー
大学教授の主人公の女性アリスは、若年性アルツハイマーを発病してしまいます。
徐々に症状が悪化していく主人公の視点から描かれるストーリーが読んでいてとても切なかったです。一方で、主人公アリスを支える家族の絆や暖かさに胸を打たれました。
心に残ったセリフ
「ぼくらの子供が大きくなるころには治療法が確立しているかもしれない」
作中より
とても印象に残ったセリフです。
若年性アルツハイマー病は遺伝によって引き起こされることがあるようです。
そのため、主人公の子供や孫たちについてのやりとりで上記のセリフが言われました。
私は医学的な知識は全くありませんが、医学の進歩は日進月歩というのは日々の生活の中でニュースを見ていてもよく感じることがあります。
エイズなどの難病でも、予防治療の進歩のため、完治はできなくても早期治療で発症を抑えられるというのはよく聞きます。
アルツハイマー病も、たとえ遺伝子を持っていたとしても、将来的には予防治療によって発症を抑えられるようになるかもしれません。
小説では、早期治療を受けるためにも自分が遺伝子を持っているかどうかを知っておくことが大事だということを言っていました。
アルツハイマー病を理解する
作者はハーバード大学で神経科学の博士号を取得した専門家です。認知症患者との対話からこの小説が生まれたようです。
主人公のアリスを通じて、アルツハイマーの患者の理解や、患者を支える家族・友人のあり方など、学ぶことがたくさんありました。
この小説を読んだだけでは理解できないこともたくさんあるとは思いますが、アルツハイマー病について考えるきっかけを与えてくれた素晴らしい小説でした。
映画化
まだ見たことはないのですが、映画化もされているようです。おそらく映画をみたら涙せずにはいられないと思うので、見るのをためらってしまっています...
もうすぐ私はすべてを忘れる。けれども愛した日々は、消えはしない。
小説の帯の紹介文より