小説好きのための小説「書店主フィクリーのものがたり」感想・レビュー
本の表紙に惹かれて買った小説「書店主フィクリーのものがたり」ガブリエル ゼヴィン (著)がとてもおもしろかったです。
CDなどでよく使う表現かもしれませんが、いわゆるジャケ買いをしてしまいました。表紙がとても魅力的で、このような絵を描くことに憧れます。
人は孤島ではない。
本はそれぞれの大切な世界。
これは本が人と人とをつなげる優しい物語。表紙より
レビュー
「島で一軒だけある書店」という舞台設定で、その書店員が主人公です。なので、物語を通じて小説がテーマの1つになっています。
舞台設定が魅力的すぎる!
島で唯一の書店の店主が、捨て子の女の子を育てることにより、心が変化していくのですが、この設定がズルいくらいに良かったです。表紙に描かれているような、自然の中で本に囲まれた環境というのはすごい憧れです。
小説好きのための小説
登場人物たちが本を通じてつながっていくストーリーが読んでいてとても心地良かったです。
各章の最初のページに、主人公のおすすめの小説という位置づけで、いろいろな小説が紹介されています。紹介されている小説のうちの何冊かは読んだことがあるのですが、知らない小説もたくさんありました。面白そうな小説がたくさん紹介されていたので、読んでみたくなりました。
最近読みたい小説を探している人は、この小説を読んだらいろいろと読んでみたい小説を発見できるかもしれません。
優しい物語
名作である「天国からはじまる物語」と同じ作者です。「天国からはじまる物語」は児童文学のような読みやすくとてもやさしい雰囲気の小説でしたが、この小説は少し雰囲気が違いました。
主人公が少し偏屈なところがあるので、最初は意外な感じがしましたが、最後まで読んでみると雰囲気が違っていても、「天国からはじまる物語」と同じように、人の優しさというのを味わうことが出来ました。
最後に、やはりこの小説の表紙が好きです。このような絵をいつか描いてみたいです。。。