今の時代に読むべき一冊「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の感想

話題になっている本、ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーを読みました。

中学生の息子の日常を綴った話になりますが、まさに今の時代に読むべき一冊という内容の本でした。

感想

以下は一番印象に残っているシーンです。

息子の通う中学は、移民の子供も多く、多様性があります。

息子は「多様性があるのはいいこと」と学校で教わったにも関わらず、その多様性が原因で、衝突やトラブルも起こってしまいます。

その時に母親は「多様性は物事を複雑にして、喧嘩や衝突を生むので、多様性はない方が楽」だといいます。

それに対して息子が、「ない方が楽なものがどうしていいことなのか?」と疑問を投げかけます。

母親は「楽ばっかりしていると無知になるから」と答えました。

この「無知」という言葉が自分にはとても刺さりました。

自分は学生時代はクラスメイトに外国人は1人もいませんでした。

日本人だけの環境で、人種や宗教による差別や偏見などとは無縁に育ってきた人間というのはやはり「無知」なのではないかと考えてしまいます。

日本人だけの環境というのは多様性がないので、たしかに楽だったのかもしれませんが、将来的にはそうは行かなくなってきます。

労働力不足による外国人労働者の受け入れなどで、学校や職場にいろいろな人種や宗教の外国人が増え、多様性のある社会になっていく流れがあります。

この本の中にも、さりげない日常会話の中で、全く悪気はなくても、相手を不快な気持ちにさせてしまう場面がありました。

日本人同士ならなんとも思わないような表現でも、文化が違えば相手を不快な気持ちにさせてしまうようなこともあるとおもいます。

自分が被害者にも加害者にもならないためにも、例えば人種差別によるデモなど、国内だけではなく国際ニュースにも日頃から関心を持つことや、相手の文化や宗教などについて学ぶこと・理解することがとても大切だと思いました。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー


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